父は自室で横になっていたので、お昼前にベッドのそばに行って
話しました。
あまり気を落とさずに頑張りなさいと言われて、さすがに泣いて
しまいました・・・。
せっかく新しい命が生まれてこようというのにこんなことに
なってごめんねとも・・・。
まだ全然親孝行できてないのにと言うと、そんなことはないよ
ええ人生じゃったと思うよ、孫も見れたんじゃしね、と。
息子(孫)のことを本当に溺愛しているので、成長する姿を
もっともっと見てほしかったし、見たかったでしょう。
本当に無念です。
母さんは精神的には強いと思うけど、母さんのこと頼んだよ
とも言われました。
母がご飯の用意ができたと呼びに来ましたが、制してもう少し
話を続けました。
あまり食べたくなさそうでしたが、食べないと体力が落ちる
一方なので、食べに行こうと促しました。
そして、大学受験の時に珍しく父に怒られたことを話しました。
なにがなんでも広島大学に行きたかったのにセンター試験で
大失敗してしまい、私立大の受験を前にして脱け殻のように
なっていたのですが「そんなつまらん気持ちでおるんなら全部
受けるのやめんさい」と怒られ、びっくりしました。
母には小さい頃からよく怒られましたが、父は本当に仕事が
忙しくて、接する時間自体が少なかったですからね。
必然的に怒られる機会もほとんどなく。
もともと穏和な性格なこともありますが。
しかし、その言葉で自分の甘えに気づき、気合を入れなおして
難関校であった関西学院大学に合格することができました。
父は、そんなことがあったかいねえ?と言っていました。
また、司法書士試験の前日に極度のプレッシャーから
一睡もできず、こんなことで集中力がもつのか・・・?と
不安になっていた私に、寝れんかったのは仕方ないんじゃけえ
高めの栄養ドリンクを2本買って、朝と午後の試験前に
飲みなさいと言ってもらい、どれだけ気持ちが楽になったか
わかりません。
このエピソードは披露宴でも話しました。
この2つの話を出して、感謝の気持ちを遠回しに伝えました。
会社を辞めて、司法書士の試験勉強を始めると決意を伝えた
時も一切反対せずに応援してくれたよねとも話しました。
ところで、夕方の飛行機でいったん東京に帰るつもりでしたが
父を見ていると、キャンセルしてこのまま残った方がいいんじゃ
ないかと迷いました。
しかし、〇〇さん(妻)もずっと一人で息子(孫)の相手は大変
だろうから帰ってあげなさいと。。。
結局、予定どおり夕方の飛行機で帰ることにしましたが
父はしんどいみたいで、空港までは行かないよ、わりいねえと
弱々しい声で言いました。。。
そして、こういう状況になった以上、本来なら身の回りの整理を
しないといけないんじゃろうが、する気になれんのよと・・・。
私は、そんなのしなくていいと言いました。
また、遺言とかも書くべきなんじゃろうがねえと言うので
残されたわしらがもめることは絶対ないけえ、そこは安心して
ただ、どうしてもこうしてほしいというのがあるなら書く?と言うと
いや、皆で話し合って決めるならそれでええよと。
妻からは、お父さんが自らそういう気持ちにならない限り
このあとのことなんか絶対に聞くべきじゃないと怒られましたが
まさにそうですね。
到底納得はできないでしょうが、どうしようもないこの現実を
少しだけ受け入れているように見えました。
私は、これが最後の対面になんか絶対にならないようにと
心の中で祈り、また来週の木曜日に今度は息子を連れてくるから
楽しみに待っておいてと言って父の部屋を後にしました。
一昨日の心理状態では、孫に会うのは辛いので来てほしくないと
言っていましたが、今日は楽しみにしとるよと言ってくれました。